退職(解雇事由を含む)に関する事項

退職(解雇事由を含む)に関する事項

労働者が退職の場合、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職が解雇の場合においては、その理由を含む)について証明書を請求した場合は使用者は遅滞なく交付しなければなりません。特に解雇の場合は具体的に示す必要があり、就業規則の一定の条項に該当することが証明できるように就業規則に記載しておかなければなりません。

定年退職

「高年齢者等の雇用の安定に関する法律」において、雇用している高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の高年齢者雇用確保措置のいずれかを講じなければなりません。
  • 定年の引き上げ
  • 継続雇用制度の導入
  • 定年の廃止
定年の引き上げについては、平成23年度現在(平成25年3月31日まで)は64歳、平成25年4月1日以降は65歳を定年としなければなりません。

解雇の事由

解雇をするには「客観的」に「合理的な理由」を欠き、「社会通念上相当」であると認められたとき以外は権利を濫用したとして無効となります。
したがって、解雇事由をできるだけ明確にしておくことがトラブル回避の近道だと言えます。近年急増している解雇撤回を巡っての訴訟の原因の一つは就業規則の不備にあると言えます。
次のような場合は解雇が制限されていますので、それを理由とする解雇はできませんから注意してください。
  • 業務上の傷病により療養のため休業する期間及びその後の30日間
    ただし、業務上外の傷病による休業期間、治療中であっても休業しないで出勤している合は解雇は制限されません。
  • 女性が産前産後休業している期間及び休業後の30日間
    ただし、産前休業の場合で女性が休業を請求しないで就業している期間は解雇は制限されません。
※業務上の傷病により療養のため休業する期間及びその後の30日間の場合において療養開始後3年を経過しても傷病が治癒しない場合、平均賃金の1,200日分を支払うことで解雇することができます。

解雇予告

解雇をする場合、30日以上前に通告するか、あるいは即時解雇の場合は解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)を支払わなければなりません。
例えば、6月30日に解雇する場合は少なくとも30日前である5月31日(予告日の翌日から起算して30日のため)には予告しなければなりません。この予告日が6月10日になった場合は、解雇日まで20日しかありませんから、差し引き10日分の予告手当が必要となります。
また、解雇予告手当は、解雇通告と同時に支払わなければなりません。
臨時的な労働者には解雇予告手当が適用されませんが、短期労働契約を繰り返して即時解雇ができるような違法行為を防止する意味で、次のような場合には解雇予告手当が必要となります。
  • 日々雇い入れられる者----1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至った場合
  • 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者----当初の契約期間を超えて引き続き使用されるに至った場合
  • 季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者----当初の契約期間を超えて引き続き使用されるに至った場合
  • 試用期間中の者----14日を超えて引き続き使用されるに至った場合